最近総悟がやたら機嫌がいい。
忙しいと言うと、夜は辞退してくれるし、時々無意味に頭を撫ぜてくる。
カタカタカタと音がして、障子が開く。
足音から一人と分かる。
亜麻色の髪を持つ、甘いマスクの腹黒ドS王子。沖田総悟―――。
「土方さん、」
何かを言いかけた気がしたが、書類を仕上げなければならない。
最近は総悟が邪魔をしに入らなかったおかげでラスト1枚だ。
その時、総悟が後ろから腰に抱き着いてきた。
右手は休めず、左手で手探りで頭を探って撫でる。
ちょっとまってろ。もう少ししたらかまってやれるから。
そうしたら腰に回された腕が急にとかれる。左手が空ぶった。
左手を文机の上に戻すと、総悟が今度は袴の紐をとき始めた。
「総悟、ちょっと待て。」
止める声も聞かずにするするととかれていく。
パンツも太もものあたりまで降ろされて、大事な部分は外気にさらされた。
「ちょ、総悟。」
「土方さんは気にしないで下せェ。
それ、最後の一枚でしょ?」
分かってんならやめてくれよ。
それを言うことは叶わなかった。
「うっ。」
むんずと強くソレをもたれたからだ。
「総悟。」
止めるために言ったはずなのに、まったくもって総悟は聞かなかった。
手でソレを扱いだす。
「やめろ、って。」
最近していなかったからか、快感を感じ取るのが早い。
「口で言っている割には、もう出てまさァ。」
先走り液が少しずつあふれるように出ていた。
それによって、手の摩擦が減る。
書類に集中できない。
当たり前だ。
「もう、だめだから、離せって…」
「書類を終らせてくだせェ。早く。そしてヤりやしょう。」
「てめぇ、それが目的で。」
今日この部屋に入ってきたのか。
こころなし総悟の息が熱っぽい。
何も答えずに総悟に責めたてられる。
「ぅ、くはっ。」
呆気なく吐き出した。
手がのけられてティッシュの音がする。
「はぁ、あ、あ、はぁ、」
荒い息を落ち着ける。
「ねえ、土方さん。」
目をとろんとさせて。
哀願するような懇願するような。
これは、欲情している目。
「さ セ て?」
ずきりと、何かが動かされるような感覚。
「耳をゆったりと舌でなぞって、口づけて。」
するりと、耳に指が絡まる。
「な、、やめろ…。」
そんな制止の言葉など、聞く筈も無い。
コイツなのだから。
「ふるふると身を震わせる土方さんの首筋に紅い跡をつけ。」
指がそのまま降りて首筋に。
ゾワリと腕に鳥肌が立つ。
くすぐったいんじゃない。
何でもいいから、声をあげたい。
「そのままシャツのボタンをもどかしくなるぐらいゆったりとはずして。」
今日はシャツじゃないからボタンはない。
前をはだけさせてボタンがある位置を上から痛いぐらいに強く押す。
「でも全部は外しやせん。」
三つ目でぴたりと総悟は指を止めた。すぐそこに顔があるのが分かる。
吐息が首筋に、耳にかかるのだ。
「だって、焦らされる方が、イイでしょう?」
カプリと耳に噛みついてきた。
「うあ。」
堪らなくなって、こらえられなくて、声が零れた。
「その真っ赤な乳首に噛みついて、嬌声を上げさせて、
そうしたらやっとココにたどり着きまさァ。
…土方さんお待ちかねの。」
先ほど達したそこをゆるく手で持つ。
でも手で持つだけだ。
「裏側を人差し指でなぞり上げて、涎をたっぷり貯めたこの口内に含んで。柔らかく舐めて。」
一つ一つ刻み込むように総悟は口にする。
「その声を楽しみながら、イくぎりぎりのところで止めて。
そのときに涙目でこちらを伺ってくるなんてオプションがついたら最高でさァ。」
とにかく、と総悟は続けた。
「ちゃんと痛くないように濡らしてから指を埋めて。一本だけでナカを漁って。」
本当に、言葉の通りに犯されているような錯覚。
「もっと、と土方さんが可愛くおねだりをしてくれるのを待って。そこでやっと二本目を入れやす。」
ツプリという音が聞こえそうだ。
「ぐちゅりと音が鳴るぐらいトロトロになるまでかき混ぜて。
でも、前立腺には触れないで、ギリギリのところを掠めさせて。喘がせるだけ喘がせて。」
孔の入り口を細く長い指が撫でた。
ひくりと震えたのは伝わっただろうか。
「総悟」
「なんでしょう?」
「あとで、やるから。やめてくれ」
すでに起ち上がった自身をもう抑えられそうになかった。
でも、仕事は終わらせなくちゃいけない。
「いやでさぁ」
さわやか腹黒王子スマイルで断りの言葉を言う。
「これ、続けるつもり、か」
「土方さん、最近何度断りやした?」
「仕事が…」
「俺もそろそろ我慢の限界でさあ」
視界が反転した。
暗順応が効いてない視界で、よく分からない表情の総悟。
あごのラインを舐められた。
もどかしさに涙目になる。
「今まで溜めてきた分、返してもらいまさあ」
どうやらまだまだ離さないらしい。
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- あとがき
- 後半のエロを書けるようになる日は来るのやら。