いい気分で酔っぱらった後は、ふわりと気分が浮つく。
いつの間にか居たのは、松陽先生との楽しい思い出。
そんな夢を見ていた。
手をつないで、一緒に笑って。
「どうしたんですか? 大丈夫ですよ。」
そうだ、大丈夫なんだ。
安心して、眠りについた。
睡眠から醒めたのも、なんとなくだった。
いつの間にか、と言い換えるべきか。
「ど、ういう状況、だ、、」
手を、つないでいた。
それが神楽とだったりしたら、後で殴られてぼこぼこにされて、其れだけで済むだろう。
いや、それも十分問題だが、でも、それ以上の問題に発展しない。
新八だとしても、どうせ自分が引きずっただけだろう。
松陽先生と間違えて。
間違えるにしてもこれ以上悪い人選ができようものかと、自分にあきれる。
何で、コイツが。
なんで、真選組の副長がここに居るのか。。。
確か、昨日は彼に集って。なぜか「別に、いいぞ。」的な感じで、機嫌がよくて。
だから、最後に一本追加して。
後を覚えていないというのは、酔いつぶれたのか、それとも酔って記憶が飛んでしまっているのか…
なんで、しっかり手を握っているのか。
なんで、俺の家にいるのか。
なにも、されていないよな。。。
何て、男なのに何を考えているのか。
時々、土方の目線に、酷くゾクリとすることがある。
手をつないでドキドキするなんて、考えていないんだからっ
しっかりとつながれていた手を、一本一本外そうとするが、それにしてもなぜ恋人つなぎなのだろうか。
作業の途中で土方のまつ毛が震える。
「ん、、。おはよ、。」
それが当たり前のように挨拶してくる土方。
「あ、ぁえ。ぁ、おはよぅ。」
完全に挙動不審者だ。
手をつないでいるという今の状況に何ら疑問を抱いているように見えない、土方の態度はどこからくるのか。
「ひ、ひじかた…?」
「んぁ、どうした?」
「このて、、、何でこうなってるの?」
「覚えていないのか、 てめー。」
「お、おれ何かしたかな?」
「何もしたも何も…」
散々人の金で飲んだ挙句、酔いつぶれた動けないと文句を言い、仕方なく連れ帰ろうとすると寝て、
引きずりながら連れて行ってもそれでも起きず、帰ろうとしたら割と強い力で引っ張られ手を握られ帰ることもできず、
ゆすっても何しても起きる気配が無かったので、仕方がないから隣に寝た。
「で、なんか言うことはねぇのか?」
「ひじかたくん、怒ってる?」
無表情無返事来ましたー。
死亡フラグ立ちましたー。
俺、死にましたー。
「さよーならー。」
「何言ってやがんだテメェ。」
ガタガタと押入れの襖が鳴る。
「おはよー、銀ちゃん。 、…。と、何でマヨいるアルか?」
神楽が起きだしてきた。
「なにアルか? その手は? ジジむさいネ。近寄らないでほしいアル。」
「え、ちょ、神楽ちゃん? 何か誤解してなーい? 俺、土方君とは何もないよ?」
「土方君と、“は”?」
変なところに土方が食いついてくる。
「いや、だから、なんでそんな目をしているの二人とも? さげすんだ目とか向けられると、
怖いなーとかって俺の話聞いてもらえないね。。。」
「おい、チャイナ娘。あいつから距離置いた方が良いぞ。」
「分かってるネ。マヨも気をつけろよナ。不潔が移るアル。」
「ああ、気を付ける。」
待ってくれよ、そのまま周りに言われたら、俺の立場なくなるよ?
明日から男色家として名を馳せることになるよ?
だからまってって、神楽ちゃーん!
目次へ戻る
- あとがき
-
土方さんは話を盛りました。
それぐらい言わないと謝らないだろうから。
そしてそっちの方が、自分にとっても嬉しいから。