54.理想の世界


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Sub.本日の寄り道 12/03/TUE

『胡桃堂』のシュークリーム。
中にはぎっしりクリームが詰まってて、
カスタードと生クリームが混ぜてあるから、軽い口当たりでさっぱりめ。
シュー生地は上にクルミが乗せてあって、とっても香ばしくて、超おいしい!
本当にお勧めだから、一度食べてみて!

いつも通り甘党二人で、美味しくいただきました。
元から俺は好きだったんだけど、恋人に勧めたらみごとハマってくれました(笑)
よく行くルートに追加☆キラッ
次はエクレアが食べたいなぁ…(ジュルリ

コメント:

1.いつも通り惚気ですか、ごちそうさまです。
 でも胡桃堂のシュークリームはおいしそう…。
 毎回おいしそうなもの食べて、リア充で、爆死してしまえ☆ (コノミ)

2.コノミさん毎回コメントありがとうございます。
 胡桃堂、通販も行っているので今度食べてみてください。
 爆死はしません☆ (ゆーや)

3.胡桃堂のシュークリームは前に食べたことがあるんですけど、美味しいですよね()
 あれから遠くに引っ越してしまったのでもう食べられないと思っていたんですけど、通販もあるんですか。
 行くところ行くところめっちゃ美味しそうですよね、どうやって見つけてるんですか?
 恋人さんと二人とも甘党なのが羨ましいです…。
 これからも美味しい情報待ってます^^ (壱百)

4.シュークリームいいですねー。
 胡桃堂に行かれるんでしたら、一度シベリアも食べてみてください。
 学生の財布にはキツいと思うけど、値段分の価値あります。
 ボリュームがあるから、恋人さんと二人で食べて丁度いい感じかなと。
 あの羊羹作れるんだったら、和菓子もいけると思うんだけどなー。 (和食膳)

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「ユウヤ、今日はどこかに行くのか?」

帰りの準備をしている間にとブログのチェックをしていたのだが、既に終わっていたらしい。
見られることは無いと思うが、それでもスマホの画面を光成から隠した。

「胡桃堂のシベリアがおいしいらしいんだ」
「何、それ?」
「俺もよくわからない。でも、美味しいって」
「甘くておいしいなら、いいや」

カラフルなリュックを背負って、早く早くと急かすのに苦笑した。
ああ幸せだなと思いながら、それが見えないように。

「それにしてもさ、毎回その情報はどこから手に入れてくるの?」
「うーん、人に聞いてかなぁ」
「そ」
自分から聞いてきたのになぜか冷たい対応だ。
「インターネットとかで聞くと結構色々な人が答えてくれるから」
「へー、便利だね。いんたーねっと」
さっきの反応とは打って変わって、舌足らずな発音で“いんたーねっと”と言った。
高校生にもなってインターネットがちゃんと言えないどころか、おそらく知らないのはどうかと思うが。
「ニヤニヤ気持ち悪い」
拗ねてただけと知って自然に口角が上がってしまっていたようだ。
光成に指摘されて、慌てて正した。

こうやって、二人で歩いていると“まるで”恋人みたいだ。

アホみたいだなと自分で思う。
隣で歩いている光成にとっては、ただただおいしいお店に連れて行ってもらえるだけなのだろうけど。
こっちからしてみれば、立派なデートだ。まぎれもない。
毎日のようにひっぱりまわして、餌付けしているのと一緒だが、あえてその事実には目をつぶる。

ブログには連日嘘を書いていることになるが、でもそれが本当のことになればいいのにと思って書いているのだ。
予想外だったのはほぼ地域限定ではあるものの人気が出てきたこと。
高校生男子が書いているだけなのに一日に500アクセスは多い方だと思う。
それもこれも光成にあげるためのスイーツを日々探し回ってきたせいだ。

「今日はうちに来いよ」
「いーけど、なんで?」
「コレ外だと食べらんないから」
本当は切ってもらうこともできたけど、止めたのだ。
家に来てもらう理由を作るために。

お菓子で釣らなくても家に来てもらえるような関係が良いのに。
ほぼ創作と化してしまっているブログの中の光成は、俺の可愛い恋人で、こんな理由なんて作らなくても来てくれる。
その差異に頭が痛くなりそうだが、だからこそ俺はブログを続けてしまっているのだ。

「じゃあ俺の部屋で待ってて。切って、お茶でも淹れてくる」
「ありがとう」
軽い足音が二階へと消えていく。

早く行きたいのに失敗した。
家に来てもらうための口実をつくるためとは言え、切ってもらえばよかった。
つくる方にはほとんど興味がないので、馴れない包丁の扱いに手こずってしまった。
紅茶もちゃんとした奴があったのだが、どうやって淹れるのかが分からず、仕方なくティーバッグだ。
これぐらいのことはできるようになった方が良いなとは思いつつも、今一番大切なのは上で待たせてしまっている光成だ。

お盆の上に一式を載せて上がると、足音に気が付いたのか部屋の扉があいた。
「あ、ありがとう」
「ねえ、ユウヤ、僕はいつからユウヤの恋人になったの?」
「え?」
お盆が傾いた。
あと少しで上のものが滑り落ちると言うところで光成の手がお盆を支えたが、
そんな事よりも光成が今言ったことの方がはるかに大変なことだった。

「な、で、パソコン?」
「だって、インターネットで調べたって言っていたから、ちょっと見てみたかった。ごめんね?」
机の上には片づけた筈のノートパソコンが開いてあった。
「いや、それはいいけど、いや、あまりよくないけど…」
あまりどころじゃなく、今の状況からしてかなりマズイ原因にはなった。
「この“ゆーや”ってユウヤのことだよね? だってこの間行った、胡桃堂の事書いてあるし」

ああ、終わったなって。
考えていなかったことが起こってしまったのだ。
いや、考えたくもなかったことが起こったのだ。

「ごめん」
「ユウヤ、あのさ」
「ごめん」
「ユウヤ、聞いて」
「ごめん」
「ユウヤ、僕は、ユウヤから何も聞いてないよ?」
「ごめん」
「それは何に対してのゴメンなの? 僕が聞いてるのは、いつから僕とユウヤは恋人同士になったんだってことなんだけど?」
「ごめん」

「ユウヤ! 聞いてって言ってるのに、聞いてくれないの?」
びっくりした。
とっさには言葉が出てこなくて、やっと開いた口からできた言葉は、
「ごめん」
「さっきからゴメンばっかり。ユウヤ、僕の話聞いてないでしょ?」
「あ、え、と、ごめん」
「…分かった、ユウヤはちょっと黙ってて」
いつもはまったりと話す光成が少し早口だ。これは怒っている。
顔を見て、その剣幕に気おされて黙った。

「僕はユウヤの恋人らしいんだけどね、ユウヤは僕に何か言った?
 僕はまだ、何も聞いてないよ? ユウヤ、何も言って無いよね」
「え、あ、それは、えと…ご「黙って」
謝ろうとしても遮られる。
「まだ分からない? 僕はユウヤから何も聞いてない。僕はユウヤに何も言われてない。
 付き合ってとも、好きだとも、恋人になろうとも、何も聞いてないよこの意気地なし!」

「それは、さ、光成。好きですって、俺が言ったら何かが変わる?」
「まだ聞くの、ユウヤってもしかしなくても鈍感だね」

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Sub.怒ると毒舌 12/06/FRI

前回和食膳さんから勧めていただいた『胡桃堂』の「シベリア」

食べました!
手放しで、美味しい!

カステラはしっとり系で卵がぜいたくに使われているのが分かる濃厚な味。
羊羹は甘さ控えめであっさりしています。
でもあんこをケチった感じではなく、
しかもイイトコロの産地のものを使っているらしいです。
何処だかは忘れてしまったんですけど(オイ

胡桃堂なのでもちろん胡桃入り。
羊羹に混ぜ込んであるものとは予想がついていたのですが、、、
カステラの表面にもたっぷり載っていました。
それによってカステラの紙に一番おいしいところがついていくという事態が無くなるという!
更においしい!

和食膳さんありがとうございました…。

因みにこのシベリアを食べる時に恋人と喧嘩したんですけど、、、
初めて知りました、怒ると毒舌に…

でも新たな一面GET!!
という気持ちで、むしろ嬉しかったんですけどね。
一緒に食べると新たな一面を知ることができる(?)『胡桃堂』のシベリアを一度どうぞwww

コメント:

1.この場でコメ返し失礼します。
 壱百さんコメントありがとうございます^^
 「どこで知るの?」とはこの間恋人にも同じ質問をされました…。偶然の一致ってあるものですね(笑)
 主にインターネットですね。行動圏内のお店を調べに調べました。
 最近は和食膳さんのように情報提供をしてくれる方もいらっしゃって、助かります。
 壱百さんもオイシイところがあったら、ぜひぜひ知らせてください。 (ゆーや)

2.この場でコメント返し失礼します。
 和食膳さんシベリアの情報提供ありがとうございます!
 また美味しいものを食べることができました…。
 確かにあの中の羊羹だけでも売れる気がしますね…。というか羊羹だけで食べてみたい気もします…。 (ゆーや)

3.ケンカおめでとうございます(笑)
 もう、美味しいものを捕まえる方法よりも、そんな幸せを捕まえる方法の方を知りたいですよ!! (コノミ)

4.自分から一歩踏み出したら良いんじゃないですかね? (ゆーや)

5.青いぞ! 青臭いぞ! 青春に酔いそうです…。なんかもう、お幸せに(笑) (コノミ)

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12/08
お久しぶりな気がします。確かにお久しぶりです。
ブログやった事無いんですけどね。事実と矛盾するところがあっても無視の方向でお願いしますー。
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