17.超感覚


視界が覆われた状況で、熱を持つ躰。
それはもう反射のようなもので。
逃れられない。

「サン、ジ、、、」
「なんだ?」
何事もないかのように走る指に快感を覚える。
より神経が研ぎ澄まされた状況で、異様なまでの興奮も同時に。

「やめ…」
「やだね」
無情にもイイトコロをついてくる指。
握られた自身が溶けそうだった。
でも、許してはくれない。

「苦しそうだなぁ」
悦に浸ったような声が耳障りだ。
お前としか、分かりようもないのに。
この状況下で、ただそれだけを感じているのに。

「浮気なんて気ような真似、テメェができるとは端から思っちゃいねーが、勝手に連れてかれんなよ」
――泣かせるよなぁ、世界一の大剣豪になる男。

迷子になっていたところに都合よく飯をおごってくれる人が現れたとなれば、
油断していたつもりは勿論ないのだがそれでも今回はいつの間にか意識がさらわれていた。
賞金首を狙ってのことだったが、如何にも許せなかったらしく現在に至る。

「いい加減、イきたいんじゃねーの?」
根元を縛ってある紐を上からなぞられる。
たったそれだけのことに、びくりと体を震わせる。
「おい、これだけで感じてんのかよ」
淫乱。
耳元でささやかれた言葉が甘く響いて。
否応なしに反応する。

「もしかして泣いてるのか?」
生理的涙が目隠しに滲んだのだろう、少し不安げな口調でサンジはそう言った。
「うるせぇ」
苦しくてもがいているのに、分からないふりをして。

「しょーがねーな。俺もいい加減きつくなってきたし、解いてやるって」
言葉とほぼ同時に解ける戒め。

ほっと気の抜けた声は、その後に打ち込まれた楔の快感にかき消された。
「んぁああっ!」
「慣らしてないのにトロトロになっちゃって。ほんと、すげー淫乱」
キッと睨んだはずが、目隠しに遮られて届かない。

始まる律動に息を乱すばかりだった。

その声も、快感によって引き起こされているのは分かるのだが、
どこから来るか分からないむしろ襲ってくるような快感に対する反応で、
自分の内側から直接こちらの脳みそを犯しに来る。

「ん、あ、ぁっ、ぅん」
イイトコロを意識的に避けているようでさえあっても、目が見えず絶えず快感を求める体が、
当たるようにわざわざ移動する。
「腰揺れてんぞ」
あんなに嫌そうだったのになー。
と余裕綽々で楽しそうな声を聴くと腹が立ったが、次の時。

「そろそろ――イけよ、ゾロ」
そこで名前を言うのは反則だろう。
突き上げられたのに合わせて声にならない悲鳴を上げて、果てた。

ようやく熱を吐き出して、大きく呼吸を繰り返すと目隠しが外された。
「どうだった?」
この顔は愉しんでいる。
「テメェ本当は」
別に俺に対してお仕置きとかじゃなくて、自分がやりたかっただけだろ。
そう続けようとしたのだが、それより先に。
「なんだよ、別にいいだろただ何となくむかついただけで」
拗ねたようにそんなことを言うから、うまく手の上で転がされているような気がするのだ。

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10/11
超感覚と言ったらこれしかないなと。でも、エロの部分が。難しい…。長く書けない。
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